法話

法話

長岡組基幹運動作成にあたって 〜長岡組長として考えていること〜

 今私たちの宗門は「御同朋の社会をめざして」の目標に向かって基幹運動を推進しています。基幹運動とは僧侶も門信徒も共にお念仏のみ教えを聞き、信心の行者を育て、寺院を活性化するための門信徒会運動と、お念仏の教えを基に、社会のさまざまな課題に取り組み実践する同朋運動をいいます。運動のスローガンは「ともに いのちかがやく 世界へ」を掲げて運動に取り組んでいます。

 また本年2011(平成23)年は「世の中安隠なれ」をスローガンに宗祖親鸞聖人750回大遠忌法要が本山で実施されます。このご勝縁を契機とし、お念仏のみ教えが一人でも多くの人々に広がるようにしなければなりません。   

 現代は少子化・核家族化が進み、今までの寺院運営が根本から問われています。葬儀や法事中心の寺院のあり方、お墓を中心とした寺檀関係は、今後確実に薄れていきます。このままでは寺院の存続は危機的な状況にあると思います。各寺院が工夫し努力する事はもちろんですが、一か寺一か寺がバラバラではとてもこの状況は変えられません。組内全ての寺院が協力し、アイデアを出し合って現代社会の課題に応え、人々のさまざまなニーズに耳を傾けねばなりません。

 さて3月11日に発生した東日本大震災により多くの人々が亡くなり、また家族や家を失った方々が今も大変な苦しみの中で不自由な生活を余儀なくされています。そしてなにより福島の原発事故は地球規模で放射能汚染を起こし、長期間にわたる事故処理によって日本中が沈没しかねません。自然環境を破壊し、便利で豊かな社会を目指し、人間の欲望は止まることを知りません。しかしそれがいかに危ういものであるかが知らされました、今こそ全てのものがつながり合って生きているという、縁起の法を基とした仏教のこころ、全てのものを必ず救うという阿弥陀仏のお慈悲を伝えていかねばなりません。しかし寺院の法座は参詣者が減少し、家庭がご本尊中心に営まれているとは決していえません。

 長岡組では今年も組連研の充実を通して門徒の核となる人材の養成、僧侶研修を通して社会に応える僧侶の活動、仏教婦人会や仏教壮年会、子供会など組織強化を行いお念仏のみ教えが一人でも多くの人々に広がっていくために着実な努力していきたいと思います。